令和二年度(公社)全国公文協主催<西コース>
松竹大歌舞伎 片岡仁左衛門(松嶋屋)
【あらすじとみどころ】
■正札附根元草摺
曽我五郎は父の仇を討つために、鎧を小脇に抱えて工藤の館へ駆け付けようとしています。今はその機会ではないと五郎を止めようとするのは小林朝比奈の妹舞鶴。いずれも力自慢の二人は鎧の草摺(胴の裾の部分)を引き合います。
曽我兄弟の仇討を題材にした作品で、荒事の豪快な趣向と華やかさを併せ持つ長唄の舞踊です。歌舞伎の絵面美にみちた舞台をご堪能ください。
■義経千本桜 木の実・小金吾討死・すし屋
平維盛の行方を捜す平維盛の妻・若葉の内侍と嫡子・六代君、家臣の小金吾の一行。そこへ、いがみの権太が現れ、小金吾に因縁をつけて金を巻き上げます。その直後、小金吾は追手の猪熊大之進らに囲まれてしまいます。内侍たちは何とか落ち延びますが、奮戦する小金吾はあえなく討死してしまいます。そこへ、偶然通りかかった権太の父・弥左衛門は、小金吾の首を持ち帰るのでした。 すし屋を営む弥左衛門は、実は維盛を奉公人の弥助として匿っています。その弥助に恋をしている弥左衛門の娘のお里は、その素性を知り、悲しみに暮れます。その後、ほどなくして鎌倉方の重臣梶原景時が詮議に訪れますが、権太が褒美欲しさに維盛の首と内侍親子を突き出してしまいます。これに怒った弥左衛門は思わず権太を刀で刺しますが、意外な真実が明かされ…。
歌舞伎三大名作の一つに数えられている『義経千本桜』は全五段からなる人気狂言です。今回上演される「木の実」「小金吾討死」「すし屋」はこの三段目にあたり、いがみの権太と呼ばれるならず者が、死を前にして改心し、維盛の窮地を救う幕切は、悪人と思われた人物が善人に回帰する「もどり」と呼ばれる演出で、悲劇を一層引き立たせます。義太夫狂言の名作をご堪能ください。
【出演者】
●主催:岸和田市立浪切ホール指定管理者