平成30年度全国公文協主催(中央コース)松竹大歌舞伎
【あらすじとみどころ】
■人情噺文七元結
本所割下水に住む左官の長兵衛は腕の立つ職人。しかし、酒と博打にはまり、今ではすっかり落ちぶれ、女房のお兼とは喧嘩ばかりの日々が続いていた。
ある日、両親の苦境を見かねた娘のお久は、自分が吉原に身を売って借金を返す決意をし、家を出る。この孝行心に胸をうたれた吉原の妓楼・角海老の女房お駒は長兵衛を呼び出すと、心根を入れ替えるよう諭し、五十両の金を貸し与えた。娘の思いとお駒の情けに感じ入った長兵衛は、男泣き。一日も早く借金を返済して、お久を迎えに来ると約束した。
孝行娘の想いにすっかり目が覚めた長兵衛は、大金を懐に家路に着くが、途中、大川端で身投げをしようとしている若い男を見かける。男は和泉屋の手代文七。訳を聞いてみれば、店の売上金を無くした申し訳なさから命を絶とうとしていたというのだ。この窮状を気の毒に思った長兵衛は、お駒から借りた五十両を渡してしまう。その話を聞いた女房のお兼は信じず、また夫婦喧嘩となる。するとそこへ……。
三遊亭円朝の人情噺を劇化した、笑いあり涙あり、江戸っ子の人情味溢れる世話物の名作にご期待ください。
■襲名披露口上
裃姿の俳優が舞台に並び、皆様に八代目中村芝翫、四代目中村橋之助、三代目中村福之助の襲名披露のご挨拶を申し上げる華やかな一幕です。
■棒しばり
無類の酒好き次郎冠者と太郎冠者。主人である曽根松兵衛が留守になる度、こっそりと酒を盗み飲んでいた。これに手を焼いた松兵衛は、ある日、一計を案じ、次郎冠者を棒に縛りつけ、太郎冠者の後ろ手を縛って外出。両手をふさがれてしまった二人だったが、苦心の末、何とか酒にありつき、さらには興に乗って、ほろ酔い気分で踊り出すのだが……。
可笑し味のなかにも、「松羽目物」の品格を漂わせる人気舞踊をご堪能ください。
【出演者】
●主催:岸和田市立浪切ホール指定管理者